昔に比べるとテレビ番組の影響などもあって、弁護士はずいぶんと身近な存在になってきたと思います。それでも、いざ困りごとで弁護士を探そうと思えば、どうやって探せば良いのか・・・という悩みを持たれる方は多いようです。 弁護士を探すときに考慮した方が良い点は、大きく2つあります。 1.弁護士の能力能力は、弁護士によって違います。元々の能力の違いもありますが、やはり経験を積めば、能力は高まっていきます。弁護士には、離婚や、相続など、それぞれ専門があると思われている方もいらっしゃいますが、実際には専門というものはなく、どの分野の事件でも担当できます。ただ、同じ分野の事件を多く経験すれは、それだけその分野に詳しくなりますし、解決能力も高まります。ですので、遺留分の事件を多く経験していれば遺留分の事件に精通している可能性が高いです。専門分野はなくとも、得意分野はあるということです。 2.自分との相性弁護士と依頼人という関係には相性があります。相性の合わない弁護士だと、自分の思っている事をうまく伝えられなかったり、伝えたつもりでも、弁護士は違う解釈をしてしまうこともあります。いくら能力のある弁護士に依頼したとしても、これでは自分の望む結果にはならないでしょう。 弁護士はどこで探せばよいのでしょうか? 1.市役所などの法律相談多くの市役所や区役所では、無料で弁護士の法律相談を行っています。お住まいの市区町村役場に電話して問い合わせると案内してもらえます。 自分で手続きをしようと思っている方に最適 役所の法律相談のメリットは、無料であることです。とにかく、弁護士という人種に会って意見を聞いてみたいという方や、基本的には自分ですべての手続きをしようと思っているけど一応アドバイスをもらっておきたいという方には最適な探し方だと思います。 良い弁護士に出会っても、引き続き依頼することができない 役所の法律相談のデメリットは、相談を担当した弁護士が依頼を受けてはいけないルールになっている場合が多いことです。もし、あなたが区役所に相談に行って、良い先生だから頼みたいと思っても、その先生に依頼をすることができないのです。実際、私も何度も依頼したいと粘られたことがあります。 2.弁護士会の法律相談弁護士会は各都道府県に1つ以上あり、必ず法律相談会を開催しています。相談料は有料で30分5,250円ほどです。弁護士会の連絡先は、104の番号案内で聞くか、インターネットネットで検索すればすぐに分かります。お住まいの都道府県の弁護士会に、相談会について電話で確認するのが良いと思います。 良い弁護士に出会ったら、直接依頼できる 弁護士会の相談会では、原則として相談を担当した弁護士が直接依頼を受けて良いことになっています。もし、相談した弁護士がしっくりこない場合は、別の弁護士に同じ内容の相談ができます。時間とお金に余裕があれば、自分に合う弁護士に出会うまで何人かと相談をして、「この人なら」と思える弁護士に依頼することが可能です。 専門的知識を持っている弁護士を探しやすい 弁護士会によっては、多重債務専門相談や家庭の問題専門相談など、専門相談会を開催しています。専門相談会で相談を担当するのは、その分野の専門的知識を持っている弁護士です。自分の相談したい分野の相談会に行けば、専門知識を持った弁護士を探すことができます。 3.法テラスの法律相談法テラスとは、国民向けの法的支援を行う行政機関です。法テラスでは、無料の法律相談が行われています。 利用できるのは、収入条件を満たした人だけ 法テラスの相談を利用するためには収入の条件があります。単身者で手取年収が240万円以下、4人家族で世帯手取年収が360万円以下がある程度の目安です。 収入条件を満たした人には最適 法テラスの法律相談は、弁護士会の相談と同じように、気に入った弁護士がいたら直接依頼することが可能です。同じ内容の相談は3回まで、という制限がありますが、無料ですので、収入条件を満たしている場合には法テラスの法律相談に行かれることをお勧めします。 4.インターネットで探すこの方法は、丹念に検索をして、弁護士のホームページをたくさん読んで、信頼できそうな弁護士を探すという作業になります。ここでは、インターネットで弁護士を探す際に知っておいた方が良い情報を2つご案内します。ただし、インターネットで弁護士を探すのは難しい場合が多いです。いくつかホームページを見てもよく分からないという場合には、弁護士会の法律相談に行かれる事をお勧めします。 実際担当する弁護士はわからない事が多い 弁護士のホームページの多くは、弁護士個人のものではなく、事務所のホームページです。大きなところになると、1つの事務所に50名くらい弁護士がいることもあります。大きな事務所には、ベテランもいれば、ほとんど経験のない若手の弁護士もいます。ですが、ホームページに弁護士一人一人の紹介をしているようなものはほとんどなく、代表者の写真だけが載っていたりします。写真の弁護士が対応してくれるのだろうと思って相談に行ったら、経験の少ない若手弁護士が担当だったということもあるようです。 費用の明示がない時は専門性が低い可能性が高い 弁護士費用について、幅のあるあいまいな書き方になっている、あるいは、費用のことが何も書いていないというホームページもよくあります。この場合は、専門性が低い可能性があります。 |
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